Canonの一眼レフ用レンズには、一般的なEFレンズとは少し違った特殊なレンズがあります。
それがTS-Eレンズです。
TS-Eレンズは、レンズを通常の位置から動かすことで、一般的なレンズでは難しい構図や遠近感のコントロールを可能にする「アオリ撮影」に対応しています。
特に、
- 建築写真
- 商品撮影
- インテリア撮影
- 風景写真
- テーブルフォト
- ミニチュア風写真
などで活躍する特殊レンズです。
CanonのTS-Eシリーズには、17mmの超広角から135mmのマクロまで、さまざまな焦点距離のモデルがあります。
この記事では、CanonのEFマウント・TS-Eレンズ全種類をまとめて紹介します。
中古市場でも見つけやすいレンズが多いため、これからTS-Eレンズを購入したい方もぜひ参考にしてください。
CanonのTS-Eレンズとは?
TS-Eとは、Canonが展開しているティルト・シフトレンズです。
通常のレンズは、カメラに対してまっすぐ固定されています。
一方、TS-Eレンズはレンズを動かすことができ、撮影する被写体に合わせて光軸を調整できます。
ティルトとは?
ティルトは、レンズを上下方向などに傾けることで、ピントの合う範囲や被写界深度の見え方をコントロールする機能です。
通常のレンズとは違ったピント表現ができるため、商品撮影や風景撮影などで活用できます。
シフトとは?
シフトは、レンズを光軸に対して上下左右に移動させる機能です。
特に建築写真では、この機能が重要になります。
建物を普通に撮影すると、カメラを上に向けたときに建物が上に向かってすぼまる「パースペクティブ」が発生します。
シフト機能を利用することで、カメラ位置を大きく変えずに構図を調整し、建物の垂直線を保った撮影がしやすくなります。
Canon TS-Eレンズ全種類
CanonのTS-Eシリーズには、以下の8種類があります。
| レンズ | 焦点距離 | 最大絞り | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| TS-E17mm F4L | 17mm | F4 | 建築・風景 |
| TS-E24mm F3.5L II | 24mm | F3.5 | 建築・室内 |
| TS-E24mm F3.5L | 24mm | F3.5 | 建築・風景 |
| TS-E45mm F2.8 | 45mm | F2.8 | 標準・商品撮影 |
| TS-E50mm F2.8L マクロ | 50mm | F2.8 | 商品・マクロ |
| TS-E90mm F2.8 | 90mm | F2.8 | 商品・ポートレート |
| TS-E90mm F2.8L マクロ | 90mm | F2.8 | 商品・マクロ |
| TS-E135mm F4L マクロ | 135mm | F4 | 商品・マクロ |
キヤノンの公式製品情報・製品登録対象一覧でも、これらのTS-Eレンズが確認できます。
ここからは、それぞれのレンズを紹介していきます。
TS-E17mm F4L|超広角シフトレンズ
TS-E17mm F4Lは、Canon TS-Eシリーズの中でも特に広い画角を持つ超広角レンズです。
2009年に登場したモデルです。
建築物や室内空間など、通常のレンズでは収まりきらない被写体を撮影する場合に活躍します。
17mmという超広角を活かして、
- 建築写真
- インテリア
- 大型建築物
- 広大な風景
- 狭い室内
などを撮影できます。
TS-E17mm F4Lは現在もCanon公式オンラインショップに掲載されています。
TS-E24mm F3.5L II|建築撮影の定番
TS-E24mm F3.5L IIは、24mmという使いやすい広角域を採用したTS-Eレンズです。
2009年に登場したモデルです。
建築写真や室内撮影など、シフト機能を活用する撮影と相性の良いレンズです。
17mmほどの超広角が必要ない場合には、24mmのほうが構図を作りやすい場面もあります。
建築写真だけでなく、
- 店舗撮影
- インテリア撮影
- 風景
- 不動産撮影
などにも向いています。
TS-E24mm F3.5L|初代24mm TS-E
TS-E24mm F3.5Lは、TS-Eシリーズの初期モデルです。
Canon Camera Museumでは1991年の製品として掲載されています。
後継モデルのTS-E24mm F3.5L IIが登場していますが、初代モデルは現在でも中古市場で見つけられることがあります。
「できるだけ費用を抑えてTS-Eレンズを試してみたい」という方にとって、中古品は面白い選択肢になります。
TS-E45mm F2.8|標準域のシフトレンズ
TS-E45mm F2.8は、45mmという独特の焦点距離を持つTS-Eレンズです。
1991年に登場したモデルです。
広角TS-Eとは異なり、標準域に近い画角を活かした撮影ができます。
建築物を大きく写す用途だけでなく、商品撮影やテーブルフォトなどにも使いやすい焦点距離です。
現在では生産終了となっていますが、Canonのサポート対象製品一覧にも掲載されています。
TS-E50mm F2.8L マクロ|商品撮影に強い
ここからは、TS-Eシリーズの中でも特に面白いレンズです。
TS-E50mm F2.8L マクロは、50mmの標準画角にマクロ撮影能力とティルト・シフト機能を組み合わせています。
2017年に登場したモデルで、Canon Camera Museumにも掲載されています。
商品撮影では、「被写体全体にピントを合わせたい」という場面があります。
TS-E50mm F2.8L マクロは、通常のマクロレンズとは異なるアオリ機能を利用できるため、商品撮影などで独特の使い方ができます。
実際にCanonは、このTS-Eシリーズについて建築写真や広告写真などのプロ用途を意識した製品として紹介しています。
TS-E90mm F2.8|中望遠のTS-E
TS-E90mm F2.8は、90mmの中望遠域を採用したTS-Eレンズです。
こちらも1991年に登場した初期のTS-Eレンズです。
90mmという焦点距離は、商品撮影やポートレートなどにも使いやすい焦点距離です。
現在は生産終了していますが、中古市場では探すことができます。
TS-E90mm F2.8L マクロ|本格的な商品撮影に
TS-E90mm F2.8L マクロは、90mmの中望遠域にマクロ性能とティルト・シフト機能を組み合わせたレンズです。
2017年に登場したモデルで、TS-E50mm F2.8L マクロとともに、商品撮影などの用途で注目されるレンズです。
特に商品を大きく写しながら、ピントや遠近感をコントロールしたい場合に面白いレンズです。
TS-E135mm F4L マクロ|望遠域までカバーする特殊レンズ
TS-E135mm F4L マクロは、TS-Eシリーズの中で最も長い135mmの焦点距離を採用しています。
2017年に登場したモデルで、マクロ撮影とティルト・シフト機能を組み合わせています。
135mmという焦点距離を活かせるため、被写体からある程度距離を取りながら撮影したい場合にも向いています。
Canonはこのシリーズについて、建築写真や広告写真などのプロ用途を意識した高い補正性能を特徴として紹介しています。
Canon TS-Eレンズを焦点距離で選ぶ
TS-Eレンズは焦点距離によって得意な撮影が変わります。
| 焦点距離 | レンズ | 得意な撮影 |
|---|---|---|
| 17mm | TS-E17mm F4L | 建築・超広角・室内 |
| 24mm | TS-E24mm F3.5L / II | 建築・不動産・風景 |
| 45mm | TS-E45mm F2.8 | 商品・標準撮影 |
| 50mm | TS-E50mm F2.8L マクロ | 商品・マクロ |
| 90mm | TS-E90mm F2.8 / L マクロ | 商品・マクロ |
| 135mm | TS-E135mm F4L マクロ | 商品・広告・マクロ |
大きく考えると、
- 建築・室内なら17mm・24mm
- 商品撮影なら50mm・90mm
- より距離を取りたい商品・マクロ撮影なら135mm
という選び方ができます。
EOS Rシリーズでも使える?
CanonのTS-EレンズはEFマウントですが、EOS RシリーズのRFマウントカメラでもマウントアダプターを使用することで利用できます。
Canon公式の情報でも、TS-E17mm F4LやTS-E24mm F3.5L II、TS-E50mm F2.8L マクロ、TS-E90mm F2.8L マクロ、TS-E135mm F4L マクロなどがEOS Rシリーズの測距エリア対応レンズとして掲載されています。
そのため、現在EOS Rシリーズを使用している方でも、EFマウントのTS-Eレンズを中古などで探すという選択肢があります。
マウントアダプター EF-EOS R EOSR対応 EF-EOSR
まとめ
CanonのTS-Eレンズは、一般的なEFレンズとは違い、レンズそのものを動かして撮影をコントロールできる特殊なレンズです。
建築写真なら17mmや24mm、商品撮影なら50mmや90mm、より望遠域を活かした撮影なら135mmというように、撮影する被写体によって選択肢が変わります。
また、現在のEOS Rシリーズでもマウントアダプターを使ってEFマウントのTS-Eレンズを利用できるため、RFレンズにはない特殊な撮影を楽しみたい方にも面白い選択肢です。




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